２つのタイプのツユクサの逆Ｖ字型おしべの稔性

　ツユクサの花には3種類のおしべがあります。その中で花の中央にあるおしべを逆Ｖ字型おしべと呼んでいます。

Ｙ字型おしべまたはπ字型おしべと呼ぶ人もいます。このおしべの形が少々変わっているので見る人によって別の名前で呼ばれています。

このＶ字型おしべを仮おしべと記載している本もありますので花粉に稔性があるのかどうか調べてみました。未受粉のめしべを確保する方法は

人工交配の場合と同じです。苞葉から咲き出た花のめしべにに逆Ｖ字型おしべの花粉をつけ、実った果実の数およびそれらから採れた種子の数

を調べました。

愛媛県上浮穴郡の田圃の縁（標高７００ｍ）から採集した有毛苞と無毛苞のツユクサを使いました。

実験は２回行いました。

実験１回目

実験2回目

有毛苞タイプと無毛苞タイプで調べてみましたが、タイプ間で大きな違いはなさそうです。花は１苞葉当たり２個ぐらい咲きました。花当たりの

果実数は0.3〜0.5で、花数の半分ぐらいが果実になるということです。実った果実当たりの種子数は1.4〜1.7個（最高4個できる）です。Ｏ字型おしべを

使った同様な実験をしていないので稔性の程度は不明ですが、稔性は有りますから仮おしべではなくおしべであることがわかりました。

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